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笑って生きる。
by seigoman_2005
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【公開中音源】
ファンタスティポリミックス
わりと名作。聞いたら感想下さい。個人的には過去の遺物と化してますが。
Sunrise Sunset
岸君の映画用に作った曲。これもいい曲なのになんか報われない感があるね。
kiss & cry
実は芝居で作ったテーマでは1番好きな曲。シンプルでポップで切ない感がよく出てるかと。
ハッピーバースデイ
これはお披露目はお初だと思います。結構前の曲ですね。脚本家に「シカゴのSaturday in the parkみたいな感じで」って依頼されて出来たのがこれ。ノリますね、結構。


【メール】
何かメール下さい。ただし件名は必ず日本語で。英語にしてるとバルクフォルダ入って気付かないこと多々あり。
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ドロドロドックン
名曲を見つけてしまいました。

ドロドロドックン_d0030318_9262229.jpg完全に棚ぼたです。高見知佳が歌うEPO作曲の『くちびるヌード』が聞きたくてCD借りたんですよ。そしたらとんでもない曲が入っていてウンコ漏らしそうになったんで、みなさんに紹介させてください。

が、その前に少々難くせつけさせてもらいますが、借りたベスト盤って2枚組なんですよ。メディア容量いっぱいにこれでもかってくらい曲が詰め込まれてまして、全41曲もあるんですけどね、もーねー、ホント曲大杉。マジそんなにいらない。そんなに聞きたくないって。『くちびるヌード』と『上海エトランゼ』以外知らないし。つーかそんなに曲出してたんだ、高見知佳。その前にちょっと待て、誰だよ、高見知佳って・・・って20代以下の方はテキトーにネットで調べて下さい。

で、名曲の歌詞をご覧下さい。


【 怒涛の恋愛 / 高見知佳 】
作詞:戸川純 作曲:矢野顕子 編曲:戸田誠司

怒涛の恋愛 怒涛の恋愛
怒涛の恋愛 怒涛の恋愛

悲劇を共に貪り合った私達
悲観を二人好んで求めた私達
互いに罵倒し 互いに癒し
互いを誇りに 互いを恥に
愛憎の濃硫酸の中で
つかまり合っていた私達

※不幸な恋人達と友達は言ったけど
 悲しくなくちゃ愛し合えない私達
 ドロドロドックン ドロドロドックン
 ドロドロドックン ドロドロドックン
 怒涛の恋愛 怒涛の恋愛
 怒涛の恋愛 怒涛の恋愛 

悲劇を無邪気に味わう私達
悲観をおもちゃによく弄んだ私達
互いに責め合い 互いにかばい
互いに賞で合い 互いに虐め
愛憎の底なし沼の中で
抱き合い沈んでく私達

不幸な恋人達と友達は呼ぶけれど
こうしなければ愛し合えない私達
ドロドロドックン ドロドロドックン
ドロドロドックン ドロドロドックン
怒涛の恋愛 怒涛の恋愛

※repeat


作詞が戸川純ってところが“らしい”っちゃーらしいんですが、完全に破綻してます。この不幸な恋人と呼ばれる二人なんですけど、彼らのやってるのは怒涛の恋愛ではなくて、頭の悪い社会不適合者同士のSMですね。そしてそのキャッチーさから今年の流行語大賞も十分狙える『ドロドロドックン』ですが、ドロ沼のドロドロと、アレがドロドロしてドックンドックンしたダブルミーニングでしょう。つまり愛憎の果てにある惰性と必然のセックスによってのみ繋がった二人の、惨めで切ない情欲アンセムっつーことにしといていいですか?すいません、かなりテキトーに説明してますが、これだけはハッキリ言えます。この二人、絶対ブサイクです。

はい、そして注目は作曲ですね。アッコ(not金現子)ちゃんがそのほとばしる才能をいかんなく発揮しています。どういう風にかというと、メロディをさらっと聞けばすぐわかりますが、サビのフックになってる「ドロドロドックン」x4のところで、不自然なコードに突っ走ります。まるで突然やってくる「ドロドロドックン」の為にわざわざ取って付けたようなリフレイン。戸川純が所属してたヤプーズ、遡っては戸川が愛する寺山修二的世界観(言いすぎ)をミニマルにコンパイルした(大袈裟)アッコちゃんの作曲センスは、この曲を通過することで名作アルバム『愛がなくちゃね』に脈々と繋がっていくわけです。もちろん嘘ですけど。

つまり何を言いたいかというとですね、多分ね、これは詞先の曲なんですよ。曲ではなく詞が先にあって、それに曲を後から付けるパターン。それが真実ならばこれは全米が泣ける話なんですよ。つまりですね、これ高見知佳の歌手人生で最後のシングルなんですね。B面じゃなくA面ですよ。『くちびるヌード』以外セールス的にさっぱりなアイドル歌手が、レコード会社に「この曲をもって契約終了としましょうか」って言われたに違いないラストシングルがこれなんですよ。

こんなどうしよーもない、いや、絶対に売れるわけないような歌詞ををアイドル賞味期限ギリギリの高見に歌わせようとしたあだ花感がとってもジューシーじゃないですか。「まー今まであの手この手で頑張ってきたけど全然売れないね、高見。何やってもダメなんだったら最後だしメチャクチャやっちゃう?」みたいな高見以外のスタッフ達のキャッキャとしたニヤケ顔が目に浮かびます。ホントに楽しそう。まあ、アイドル全盛の80年代に使えない商品として細々と消費された本人にとっては泣ける話なんでしょうが、様子を俯瞰で見るとやっぱりとても楽しそうでいいですね。

実はこの曲で僕が1番好きなのはアレンジだったりするんですけど、戸田誠司のいわゆる歌謡テクノ風味はホント痒いところに手の届く仕事で気持ちいいです。隙がないというか、あざとくも楽しい感じが。その辺はフェアチャイルド(YOUのいたバンドね)の頃から大好きだったんですが、そういえばまだ音楽仕事やってんのかな?と思いネットで調べてみたら、All Aboutでインタビュー受けてました。読んで笑えたのは彼の音楽仕事のベスト3を聞かれて、この曲がその中に入ってるってとこなんですが。本人も満足の仕事だったんだね。ドロドロドックン

詞、曲、編曲と、そんな彼らの奇跡のトライアングルによって生まれた名曲は、C級アイドルのラストソングなんつー香ばしいタイミングのせいでオリコン的には咲きませんでしたが、歴史検証としてはA級遺産で大咲きだと思います。

そんな感じで、主体は常に所属のプロダクションにあった80年代芸能界の被害者(財宝)としては、伊藤智恵理、我妻佳代、小沢なつき、志村香、つちやかおり、松本典子、守谷香、なんかがこの辺のC級セグメントになるかと思われ。さらに突っ込んでいけばヘレン笹野やパティなんていう、なに人だかわからない人達もいたりして。そんなのに物凄い大御所が曲書いてたりするもんだから、結構この辺探るの面白い。





・・・別にオチないですよ。





いや、そんなことより聴いて下さい。

ドロドロドックン
by seigoman_2005 | 2007-01-28 09:27 | 音楽
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