俺はイモ掘りが好きだけどね。
最近若いコの間では、レコード屋を巡っていいネタ発掘することを『レコ掘り』と言うらしい。レコ掘りワンワン。掘るのはレコだけでええんか?「最近どの辺で掘ってるわけ?」「最近は渋谷レベル低いから新宿かな」「ナニ系攻めてんの?」「だいたいガッツリした感じよ」「いいねーアガるよねー」「今度一緒行く?」「イクイク!ガンガン掘っていいの回しまくりてぇ!」
・・・レコードの話ね。
10年以上前、西新宿のレコ屋をよく回ってました。お宝発掘の意味も込めて神保町まで足を伸ばしてたこともありました。ブートも沢山買いました。ジャケ買いばっかりしてました。シリアルナンバーに弱かったので、どんなクソレコでも限定盤は即買いしたりもしました。ハズレも山ほどありました。毎週通ってると、どこに何が置いてあるなんて覚えてしまうもんで、2時間はかけて端から端まで毎回全商品チェックしてました。それを5~6店舗回ると一日が終わってしまいます。わりと足が棒になる感じ。俺、他にすることなかったのかな。友達いなかったしな。いつも1人だったなあの頃。あれ、目から何か流れてきた。なんだろ、これ。水かな。とりあえず笑っとけ。アハハハハハハ
・・・レコードの話ね。
そんなレコ屋にて、隣合わせたニーチャンと競争っぽくなるあの現象はなんなんでしょうか。何となくいつもやってました。もちろん知らない人との無言の勝負。次から次へと右手→左手交互に高速でジャケを摘んでは下ろし、摘んでは下ろす。1列が終わったら隣の列へ移動。シャカシャカシャカシャカシャカ・・・・・・・・ってジャケの残像だけでそれが既存在庫商品か新入荷商品かを判別してたんです。言い方を変えると動態視力テストでしょうか。超高速ですよ。手がブレて見えないくらい。自家発電なんかより全然早いですから(ハァ?)。
ではなぜ勝負っぽくなるのか。それは毎回全商品を見なきゃいけない(誰にも頼まれてない)ので、チンタラしてらんないのが第一の理由。そしてもう一つの大きな理由は、ほとばしる自意識と見栄の争いですね。つまり、
「こんだけぇ高速でザッピングしてもちゃんと把握できてるくらいここに通ってるしぃ、すげぇ商品知識もあるわけぇ。だからぁすげぇ俺詳しいわけぇ。つーかぁあんたとはちょっと違うわけよぉ。だからさぁそこどいてくれる?」的な自意識と見栄。プライドとプライドの戦い。そしてそう思ってるのは多分俺だけな予感。そこで勝って何がどうなるのかはなはだ不明な、俺のほろ苦い空回りの青春。あーもー正直今物凄く赤面しながら書いてるんですけど昔の俺、死ねばいいのに。
そんな過去があり今があるわけで、それはそれで否定はしませんが死ねばいいのにとは思います。いやそんな過去暴露話をしたいのではなくて、そもそも自分の音楽の『掘り方』というのはどうだったかを書きたかったわけですが、何だかどうでもよくなったのでこれでおしまい。
カッキーン!